2020年大統領選攻略ガイド②|大統領選の流れ編

今回は、大統領選の流れについて解説します!(前回の記事はこちら。)

2020年の大統領選まで100日を切りましたが、実は大統領選は1年以上が費やされる長い戦いです。

州によって方法が違ったり、得票率がそのまま結果に反映されなかったりと、なかなか複雑なこのプロセス。深入りすると説明に数日かかるので(苦笑)、おおまかな流れを追ってみましょう。


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★党の候補者決め★

最初に行われるのが、各党の候補者決め。アメリカは2大政党制で、第3の党からの立候補も可能ですがハードルは非常に高く、基本的には共和党と民主党のどちらかの候補者が大統領に選ばれます。

では、候補者はどうやって選ばれるのでしょうか・・・?


アメリカは州の独立性が高く、その傾向は選挙にも現れていて、まず州単位で誰を支持するか決めてから、州の代表が集まって最終的な候補者を決めます。


【STEP 1・州での候補者決め】

州ごとに支持する候補者を選ぶと言っても、党員が一斉に投票して決めるわけではありません。実は方法も時期も州によってバラバラなのです。

基本的には、多くの州では予備選挙を行い、一部の州では党員集会で候補者を決めています。

予備選挙とは、一般の有権者が投票して候補者を選ぶやり方。投票する権利がある人は州によって異なり、党の支持者として登録している人に限る州もあれば、有権者が誰でも投票できるという州もあります。

党員集会とは、代表が集まって候補者を選ぶやり方。これも州によってやり方は異なりますが、地域単位で代表を決め、その代表が州で集まって候補者を決めます。


面白いのは、州によって候補者決めの時期が異なり、2月から8月まで長期に及ぶため、最初に行われる州の結果がその後のプロセスに影響を及ぼすこと。前半の結果を見て、勝機がないと判断すれば、レースから離脱する候補者もいます。


【STEP 2・党全国大会】

州での候補者決めが終わった後、党の全国大会において党の候補者が決定します。

この党の全国大会に集まる代表は代議員と呼ばれ、彼らが投票を行って最終的な候補者が決まりますが、細かいルールは共和党と民主党で異なります。基本的には州ごとに代議員の数が割り振られており、彼らが州の候補者決めの結果を受けて投票します。

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★本選挙★

晴れて党の候補者に選ばれたら、次は本選挙に進みます。本選挙は、共和・民主両党の候補者の一騎討ち。党の候補者決めと同様に州ごとに支持する候補者を決めますが、全国一斉に行われます。


【STEP 1・一般投票】

本選挙では党員集会のような仕組みはなく、有権者の一般投票によって、州が支持する候補者が決まります。投票日は11月の第1火曜日(正確には、11月の第1月曜日の次の火曜日)と決まっています。

国内で時差があるので、東海岸から順に投票が行われます。州によっては期日前投票や郵便投票の仕組みもあります。


【STEP 2・選挙人による投票】

州が支持する候補者が決まったら、最後に州の代表である選挙人による投票が行われます。この投票は12月の第3月曜日に行われますが、一般投票の結果によって、最終結果もわかっているので、投票自体は形式的なものです。

しかし、この選挙人制度が曲者!

選挙人の数は538名で、州ごとに割り振られており、人口が多い州ほど選挙人の数が多くなります。ここでポイントなのは得票率は関係なく、勝者が全ての選挙人を取る制度であること(一部、得票率を反映させる州もあり)。つまり特定の州で、75対25で勝とうが、51対49で勝とうが、得る選挙人の数は変わらないことになります。

この制度により、国民全体からの得票の数では過半数から支持を受けたのに、当選しなかったという例が過去に数回ありました。

またどちらの党を支持するのか確実な州より、支持者の数が拮抗する州により選挙活動の重点が置かれることにもつながっています。要は、大統領選の結果は、接戦となる少数の州によって左右されるということです。

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選挙の流れはなんとなくわかってもらえたでしょうか?

次回は、2020年の大統領選にフォーカスして紹介します!

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