歴史的黒人大学(HBCU:Historically Black College & University)というのを耳にしたことがありますか?
私は恥ずかしながらアメリカに来るまで知りませんでした。
黒人系アメリカ人の教育水準向上のために創設された大学で,現在アメリカに約100校あるそうです。
黒人学生の伝統的白人校への入学が禁止されていた南北戦争以前に北部で創立され,次いで南北戦争後には南部で奴隷解放された人々の学校が作られました。1965年にそれまで歴史的に黒人を中心に受け入れて教育機会を提供してきた高等教育機関の総称として高等教育法で定められました。
名門大学はスペルマン大学(GA),ハワード大学(DC),ザビエル大学(OH)など。
DCにあるHBCUはハワード大学(Howard University / 1867年創立)の他に,コロンビア特別区大学(University of the District of Columbia / 1851年創立)。
VAには5つ,MDには4つあります。
ハワード大学での黒人比率は約85%と名前の通り黒人が多いですが,HBCUは黒人のみを受け付けるのではなくあらゆる人種の学生に門戸を開いており,必ずしも黒人学生が多数派というわけではないそうです(WVのBluefield State Collegeは白人比率85%)。
一般大学への黒人の進出が増え,黒人エリート養成機関としての機能は解消され始めているものの,現代でも黒人学生にとって貴重な機関であることに変わりはないのだそう。
[カマラ・ハリス副大統領候補の出身校]
さて,このDCにあるHBCUの名門ハワード大学は,民主党副大統領候補に指名されたカマラ・ハリス上院議員が卒業した大学ということで,今年は日本のニュースにも名前が出ましたね。
ハリス氏はハワード大での学業の傍ら,連邦上院でインターンを経験。2011年にはカリフォルニア州で黒人女性初の司法長官,2017年からは黒人女性で史上2人目の連邦上院議員となりました。11月の選挙でバイデン氏が大統領となれば,これもまた史上初の黒人女性副大統領となります。
1800年初頭の奴隷制廃止から200年近く経っていて,音楽を聞けば,映画を見れば,人種多様な俳優が出演する現代でも,ハリス氏の経歴で分かる通りまだまだ「史上初」が溢れている現実に驚きませんか?
[HBCUに関わる作品]
■ 原題:The Great Debaters / 邦題:グレード・ディベータ― 栄光の教室
1930年代に全米ディベート選手権で優勝したテキサス州ウィレイ大学ディベート部の実話を映画化したもの。
■ Netflixオリジナル映画 「HOMECOMING: A Film By Beyonce」
世界最高峰の野外フェス・コーチェラでの2018年のビヨンセのパフォーマンスを記録したドキュメンタリー映画。ショーの中ではHBCU文化と言われるマーチングバンドを率い,映画の中ではHBCUへの賛辞を口にしている。
理解を深める一助になれば幸いです。
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■ アメリカ大使館公式マガジン 成功への導き ― アメリカの伝統的黒人大学(2020年8月25日)
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