DCにはどうして高い建物が少ないの?
アメリカの他の都市と比べても高いビルがなく、重厚で立派な建物が特徴的なDCの街。
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ホワイトハウスを狙えないように...
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とか
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議事堂よりも高い建造物は禁止
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とか、そんな噂を耳にした人も多いはず。
いかにも政治の中心地!という感じがして信じてしまう噂ではありますが、あくまでも噂。
本当の理由、それは1899年、19世紀の終わりに施行された法律にあります。
この法律では議会議事堂の高さについて触れられていません。
民間の建物が130フィート(40m/例えればウルトラマンの身長・・・というのは冗談で、オフィスビルで大体10階建てくらい)を超えることを禁止したそうです。
その目的は、ナショナルモール/ホワイトハウス/議会議事堂(キャピトル)など主要な場所の壮大さを維持するため。
超高層ビルが景観を圧倒してしまうかもしれないと気付いた議会がこれを阻止しようと決めたものだったんですね。
また、これは1910年に改正され、130フィートという規定を廃止。
現在も有効な新しい法律では、「新しい建物はその前(二つある場合は広い方)の通りの幅より20フィート(6m)を超えることはできない」と規定されています。
法律のはじめには「当初の都市開発における努力を尊重するため」という前置きがあり、アメリカらしさを感じます。
■他にも住居の高さは...教会は…と細かく規定されています。気になる方はこちら(DC CODE §6-601)
https://code.dccouncil.us/dc/council/code/sections/6-601.05.html
なお、ワシントンモニュメントは法律施行以前の1885年に建設されました。高さ169mの建造物は建設当時は世界一高い建物でした。(5年後の1889年にパリのエッフェル塔に一位の座を奪われました)
100年を超えて法律によって守られているDCの景観は、そもそも1791年にフランス人建築家ピエール・ランファン(Pierre L'Enfant)によって作られた都市構想だったそうです。彼の名前はDCメトロの駅名にもなっています。
アーリントン墓地にあるランファンのお墓はとても眺めの良い場所に位置し、DCの街並みを一望できますよ。
ナショナルモールを中心に整然と並べられた都市の形は他の近代的な大都市のようにきらびやかではないものの、息苦しくなく、重厚さと歴史を感じる政治の中心地にピッタリです。
高さ制限があるため利用可能な敷地面積が限られ、人口は少なく不動産価格は高騰。人は郊外に住む傾向があります。
アーリントン、ベセスダなど郊外は高層ビルや高層アパートメントが建ち、朝夕は道路・電車共にラッシュが起こります。これが問題視されることもありますが、日本の京都の古い街並みが維持されるように、ここアメリカ都市もこの先何百年も、何千年も、平和で維持されていくことを願います。
◾️DC都市計画の歴史はこちら(外部サイト: National Capital Planning Commission)
https://www.ncpc.gov/about/history/
参考になれば幸いです!
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